サマリ
はじめに
VMWare Workstation で VulnHub などから取得してきた VM を利用する場合に、DHCP による IP アドレス割り当てを想定している VM を LAN セグメントとして構築したネットワークでそのまま利用することができません。VMWare Workstation は VirtualBox の「内部ネットワーク」の様に DHCP サーバを提供する機能は持ち合わせていないためです。この場合、DHCP サーバの VM を構築し、利用したい LAN セグメントに設置する必要があります。
やったこと
DHCP サーバ様に VyOS を利用しました。VyOS はいわゆるソフトルータと呼ばれる ネットワーク OS で、DHCP サーバをはじめルータが備えている機能が一通りそろっています。この VyOS の DHCP サーバ機能を有効化し、LAN セグメントに設置することでそのネットワークに DHCP 機能を持たせました。
注:VyOS はデフォルトで英字キーボードのキー配列で使用しにくいため、以下のページを参考に日本語キー配列に変更しました。
Vyatta/VyOSで利用するキーボードを日本語配列キーボードにする | 俺的備忘録 〜なんかいろいろ〜
構成
今回は以下の構成で構築しました。
VyOS IP address: 10.0.3.1/24
DHCP Server
Address Pool : HACKLAB
Default GW : 10.0.3.254
DNS Server : 10.0.3.254
Domain Name : hacklab.local
Lease Time : 86400 sec (24H)
Lease Range : 10.0.3.100-199
VyOS のインストール
すぐにインポート可能な ova ファイルが公式サイトで提供されていますので、これを利用します。
インポート(ファイル→開くから ova ファイルを選択します。)すると、ネットワーク アダプタが2つ用意されていますが、今回のネットワークでは1つしか使用しないため、1つは削除しました。また、残ったネットワーク アダプタには今回構築する LAN セグメント「HackLab」を割り当てました。
VyOS を起動ししばらくするとログイン画面が表示されます。VyOS の初期ユーザ名とパスワードは User Guide - VyOS Wiki を参照してください(この初期ユーザ名やパスワードを変更してください)。ログイン後に行ったことは、IP アドレスの割り当てと DHCP サーバの設定です。
IP アドレスの割り当て
初期状態では eth0 に DHCP を利用した IP アドレスの割り当てが設定されています(他の DHCP サーバを期待しています)。ここでは、VyOS 自身が DHCP サーバ機能を提供するため、固定の IP アドレスを割り当てる必要があります。以下のコマンドで初期状態の DHCP 設定の削除及び、静的な IP アドレスの割り当てを行いました。
DHCP サーバの設定
DHCP サーバを有効化した後に上述の構成で構築します。
設定の保存と永続化
最後にコミットと保存をして完了です。